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背後の身の上に起きた出来事SS風。
そう…それは、ある朝の出来事。
築10年を超える、鉄筋コンクリート造りの4階建てアパート。
ボケ背後の住まいは、その最上階にある。
昨夕から降り続く雨に「鬱陶しいな~」などと呟きながら、
ボケ背後は、いつものように自宅の玄関を出た。
新しいとは言えない、このアパートには、エレベーターなどと言う便利なものは存在しない。
ひんやりと濡れた空気が充満する、コンクリート造りの共用階段を、
ボケ背後は、やや急ぎ足で降りはじめる。
それは、4階と3階の間の踊り場にさしかかった時だった。
視界の隅に映り込んだ、もの。
その存在に気付いたボケ背後は、まだ寝ぼけた顔を上げる。
「…あ。」
それは、まだできたばかりのツバメの巣だった。
一昨日あたりから、頻繁に姿を見せていたツバメ。
そのツバメが、階段スペースの壁。天井に近い場所に、巣を作り上げていたのである。
「ん~。。。」
少し楽しいような、少し困ったような表情を浮かべて立ち止るボケ背後。
ツバメの成長の様子を見るのは面白いものだが、
巣から落ちてくるであろう落し物の事を考えると、喜んでばかりもいられない。
未だ雛は居ないようだが、将来的には、巣の下に新聞紙でも敷いてやらないとな…
そんな事を考えながら、一旦止めた足を、再び進めようとした時だった。
「…!!」
ズルリ…と足元が滑る感触。
慌ててバランスを取ろうとするものの、
ハイヒールの踵が、無情にも階段の踏み面から流れ落ちる。
重力に従う身体と、本能的に総動員される運動神経。
肘が階段横の壁にぶつかり、右足が尻の下に巻き込まれる。
抗うようにもがくと、脛が数段下の踏み面を捉えた。
ようやく身体に均衡が戻る。
「……」
衝撃的な展開に、ボケ背後は、声さえ上げられずに目をしばたいた。
そして、しばしの後…。
「……ったぁ~~~ぃ」
コンクリートの階段室に、ボケ背後の声が小さく響く。
眦に小さな涙の粒を浮かべながら、ボケ背後は、ゆっくりと身体を起こした。
まず気になったのは足首。
ここをやられると、諸事情により、方々に迷惑を掛けてしまうのである。
慎重に動かしてみると、不幸中の幸いで、捻挫は無いようだった。
「……」
代わりに痛むのは、壁に打ち付けた肘と、踏み面の角に激突した脛。
「…う~。。。」
衣類をめくってみると、有難いことに流血は無い。
幸いに目撃していた者も無く、誰かに笑われるということもなかった。
時間に追われるボケ背後は、痛む足を引き摺りつつも、再び階段を下りはじめる。
「…こりゃ、痣、確定だなぁ…」
お間抜けなボケ背後の、朝の出来事。
その後、また別の用件で痣を打ち付けて涙目になったのは、言うまでもない。
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自称「物書き」だけど、単なる趣味。
2キャラ稼動で、バタバタと遊んでおります。